不思議な少年 Ⅲ

なんとなく...の おしゃべり

ゆーっくりの おしゃべり

スポーツの話で

ほんのちょっとだけ 盛り上がってきた

するとね 少年が 言った

「足. みせて」...

...は?

 あし?...ですか?...

ああ さっき くつの サイズの話 したもんね

それに しても おもしろい子だ

あたし. 片方の 長靴 脱いで

“ケンケン”しながら

「はい. 足...です」...と

少年は 一言

 「うん」...だそうで...

ほんと おもしろい子だ

静かで 落ち着いていて

 けっして 陽気...とは いえないが

  だからと いって ネガティブ でもなく...

あたし、時間が 気になったので

「家に帰るのかな?

  塾に いくのかな?」

「もう 暗いんだから 気を付けてね」

そんな 風に なんとなく 促してみる

すると 少年は

「じゃ、また」...と言って

  手を 差し出してきた

あたし...も 思わず

「はい. またね」...で

“握手”...で ございます

あたし. しつこくも

「気を付けてね!」

少年

 安定...の 「はい」

...で 彼は 南の方に

 スタスタと 歩いて 行ったわ

でね

“じゃ. また”...って 言ったくせに

  それっきり だわ

待ってる わけじゃ ないんだけどね

 名前くらい 聞いときゃ よかった

なーんか ちょっと 淋しいんだわ

ほーんと おもしろい

 不思議な 子だった


15年前...か

 今はもう 立派な大人だね

元気で いるよね

たのむからさ 幸せ...で いてよね

なんか

 そんな

  感じ...です

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