繭玉

たとえば

目の前にある
大きな壁と

後ろから
追いかけてくる

”何か”に
押しつぶされそうに
なっても

そう
ならずに
踏ん張って
居られるのは

きっと...

自身でも
気付いていない

”何か”が
居てくれるから

たとえば

実感が
ぼんやりだったり

はっきりと
”こうです”と

言い切れるようなもので
無かったとしても

心の奥の
ほんの僅かなスペースに

おそらく
”在る”もの

そこから
出ている

気の
繭玉の
ようなもの

それが

その時々に応じて

精一杯
膨らんでくれて

押しつぶされない
ように
助けて
くれているのか

この

とてつもなく
ありがたいことに

ほんの一瞬でも

”はっ”と
気付くとき

そのとき
たぶん

その
”実感がないもの”に対して

何かを
 視る...ということ

繋がりを
 感じる...ということ
 
フラフラだった
自身に

”力”が
ふつふつと
湧き出てくる

そんな

まるで
カラクリのような

魔法のような
ことって

どうも
在るようだ

その
不思議な
ものが
何なのか

実体は
わからないと
しても

それに
気付けたなら

すっ...と
手を
握って...

握って
みれば
どうかな

それ

いいんじゃ
ないかな