栗鼠

”ほら みてよ”
”こんなことだって
 できるんだよ”

神社で
お参りのあと
境内の
緑の中から
姿を現した
一匹のリス

まるで
曲芸ひろう...か

くるくる回ったり
木に登ったかと思うと
ひっくり返り...の

様々な
まるで...

まるで
自分にできることの
すべてを
みせてくれているかの様な

思わず
拍手をしてしまうほど...

”あぁ すごいな”
思わず
声に出してしまうほどの...

その様子に
何人かの人が
集まってくる

”みて下さい
 すごいんですよ”と

何か とても...
とても 誇らしくて

そう
つぶやいてしまう

苦しくて
つらくて
がんじがらめで
身動きがとれない

そんな
何とも言えない感覚と
戦っていたあのころ

”頑張ってみて”
”ほら 君も
 動いてごらんよ”...と

あのときの リスを
なぜか
ふ...と
想い出した

心の中で再び
拍手を送ってみる

”誇りのリス”だな
見事だよ