花を。 花を水辺に置かせてもらおうか、と考えたが それはやめた。 思いたち きれいな包み紙のチョコレートをたくさん 大きなテーブルの上に散りばめた。 不気味な 恐ろしいゆれのなか あっという間に のみ込まれ 向こへ行ってしまった人達。子供達。 その心。 食べてくれたら いいなって。 そして、その心が、 恐怖や、痛みや、悲しみや、寒さや、 様々な ”何故?” という あまりにも 理不尽な 出来事に対する ”いかり”の 感情から とき放たれて どうか 今は 暖かな やすらぎの中に 居てくれますように。 欲を言えば 次の転生に向けて、希望や、喜びを感じて いてくれますように、と。 そんなことを願いながら。 すると その時。 かなが、 私たちの 可愛い 可愛い かなが そのテーブルの上を 天井を ぐるりと見上げて思い切り しっぽを振り出した。 そして、その視線を追うと 神棚へと。 じっと見つめながら しばらくの間 しっぽを振り続けていた。 何の意味付けも いらない。 私、泣いてしまったよ。 2012年3月11日の午後でした。 そして その約1ヶ月後 かなは あちらの世界へと旅立った。 2012年4月17日 私たちの 可愛いあの子は 夕日の向こうへ 行ってしまいました。