雨上がり ハルとヤマトと 公園を散歩 誰もいない 静かな空気 芝生があんまり柔らかいので 歩くのがもったいない そういえば ベンチの横で撮った かなの写真があったな あたたかな色の 夕日を背に にこにこ笑って写ってる 思えば 向こうに行ってしまう 半年くらい前だろう 身体は相当 つらかったはずなのに あの子は いつも にこにこしていた 「おかあさん つらい時、がんばらなきゃいけない時、 なるべく 笑っていてね 笑うんだよ どうしても 泣きたくなったら 泣いてもいいよ どうしても おこりたくなったら おこってもいいよ でもね おかあさん 約束してね 意地悪な 顔は しちゃだめだよ おくちを への字に しちゃだめだよ 笑っていて ほしいよ おかあさん」 澄んだ 空気 涼しい風に乗って かなの 声が 私に 届いた あの子がいない今も 私は あの子に 助けられている