うみ

私の 望みが 知りたいですか

例えば 私が 海ならば

浜辺に 立って 見つめてないで

舟を出して 漕ぎ出して

見ているだけじゃ わからない

静かな 凪も

荒ぶる 波も

感じなければ わからない

たとえ 恐れが あったとしても

人を 知ると いうことは

全てを 知ると いうことは

そんな 覚悟が いるんです

浜辺に 文字を 書くだけじゃ

なにも 伝わる ことはない

あなたの 願いは 何ですか

真から それを 想うなら

櫂を 手にして 漕ぎ出して

真っすぐ 私に 届けてください

ゆるし

「いいんだよ」

「そんなものだから」

なんて やさしい 言葉だ

こぼれ 落ちる 涙

真っ直ぐに 澄んだ 瞳

「いいんだよ」

「そんなものだから」

全てを すっぽり 包み込み

全てを 昇華してしまう

許しを こう 人々に

罪に 傷つく 人々に

希望の糸を そおっと投げて

しみつく 傷を 癒してくれた

メリーゴーランド

風が 強ければ 強いほど

心が 穏やかに なっていく

そんな 事って あるもんだ

強い風に 守られて

自分で 自分を 抱きしめる

どんな 世界を 生きて来たんだ

どんな 道を 歩いて来たんだ

前を 進む 自分の姿

必死で 追いかけ 問いかける

回転木馬の 流す 涙を

あなたは 見たこと ありますか

私は 多分 知っている

身動き 取れずに もがき続けた

自分の 涙と 同じ だから

encore

残りの 生は アンコール

そこで 奏でる その曲は

自分で 選んで 自分で 決める

音に あわせて 舞うように

ひとつ ひとつの 花びらを

風に 乗せて 泳いでいこう

最後の ひとつを 見届けたとき

静かに 降りる カーテンは

誇りと 感謝で 満ち溢れ

静寂に 在る 佇まい

揺らぐ ことなど ありは しない

残りの 生は アンコール

残りの 生きるは アンコール

ハルへ

あなたは 今 どこに 居るの

あなたは どこで 何をしてるの

私は 今も ここに 居るわ

ここで あなたを 想って います

あなたが 託して くれた 櫂を

この子を この手で 育てています

あなたの ために 取り替えた 床

あなたの ために 付けた クーラー

あなたの ための 青い庭

あなたと 共に 過した ここで

今も ここで 生きて います

それは まるで この子の ために

あなたが 準備してくれて

そんな 風に 感じる くらい

不思議な 時の 流れの なかで

私は この子を この手で 抱いて

あなたと 一緒に 生きている

あなたに ハルと 名付けた 庭は

新たな 芽吹きが 始まり ました

あなたは 見ていて くれていますか

ここを 見ていて くれていますか

téléphoner

「うれしい」を 思いきり 表現できるって

ステキだな

「うれしい」を 隠すことなく 伝えられるって

シアワセ なこと

たとえ わだかまりが あったって

ほんの少しの 不安な心が あったって

そのときに

このときに

「うれしいな」って 感じたら

大きな声で 届けてみると

いらないものは 吹き飛ばされて

きれいな 想いに 満たされてくる

素直に なるって ヨロコビ だ

素直で いるって シアワセ なこと

受話器を 置く手が やさしく みえた

笑顔が ここに 戻って きたよ