太陽の窓

カーテンをぬった。

だいとかなが
並んで
よく外を眺めていた
階段を4段上がったところ
小さめの窓。
夕方からは
”律儀におとーさんの帰りを
 ずっと待っている”
だいの
貸し切りの場所だったね。

私も
大好きな窓、
通りかかる人たちに
手を振ったり
通りかかる人たちと
その窓を開けて
いっぱい
おしゃべりをしたり。

この窓
たくさんの人たちの
笑顔をしっている

この窓
何人かの人たちの
悩みをしっている

学校の行き帰り
子供たちの
たくさんの笑顔や
時折みせる
不安そうな表情
私が
今では
すっかり忘れてしまっていることも
きっと
全部覚えているはず。
小さいけど
大きな窓だな。

出来上がったばかりのカーテン。
仕上げに
アイロンをかける時の喜び。
少しドキドキしながら
窓に着けた。

今日は風が強いな。
今着けたばかりなのに
”もう
 ずっと前からお役に立って
 おりますよ”とばかりに
ぴったりだ。

ゆうゆうと
風になびいて
自身満々ではないか。
だいとかなは
このカーテンの中で
かくれんぼだろ
きっと...。

そういえば
きのうの朝
起きがけの
私の耳の中できこえた
”太陽の窓”
という声。
声の主はわからないけど
せっかくだから
この窓にいただこうかな。
”太陽の窓”
幸せな日だ。

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