シルシ

青い鳥が 飛んだ

私の庭から 飛び立った

目に映る 光景は

水の線で かき消され

伸ばした指の 先っぽは

細い 糸を 出したがる


青い鳥が 旅に出た

私の ここから 旅立った

行く先なんて わからない

方向さえも わからない

見えない 地図を 勝手につくり

見えない 形を 整えたくて

いくつも 点を こぼしながら

ひとつの 線に 繋げてみるよ


いつか あの子が 帰ってくるとき

道に 迷わないように

こぼれる 雫の ひとつ ひとつに

点で シルシを つけておく

あの子が ここに 戻れるように

灯りは いつも つけておく

あの子の 声を 受け取るために

こころの 内を 澄まして おくよ

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