シルシ

青い鳥が 飛んだ

私の庭から 飛び立った

目に映る 光景は

水の線で かき消され

伸ばした指の 先っぽは

細い 糸を 出したがる


青い鳥が 旅に出た

私の ここから 旅立った

行く先なんて わからない

方向さえも わからない

見えない 地図を 勝手につくり

見えない 形を 整えたくて

いくつも 点を こぼしながら

ひとつの 線に 繋げてみるよ


いつか あの子が 帰ってくるとき

道に 迷わないように

こぼれる 雫の ひとつ ひとつに

点で シルシを つけておく

あの子が ここに 戻れるように

灯りは いつも つけておく

あの子の 声を 受け取るために

こころの 内を 澄まして おくよ

échapper

湿った みずが 滞り

それが こころを 冷やして いるの

悲しい みずが 止まったままじゃ

やさしい 想いも 受け止められず

冷えた こころを 大事に かかえ

背中を まるめて 動きを 止める

止まった そこに あるものは

疑心暗鬼と 怒りと 不満

自分の 陰に 飲み込まれ

自分の それを 味わい尽くし

そんな 自分が 観えてきたなら

力んだ こわばり ゆるんで いくよ

かわいた 風が きっと吹いて

陰の 湿りを 昇華する

流して 流して 軽くなったら

丸めた 背中を 立て直し

お日様 当てて かわかし ながら

新たな 一歩を 踏み出そう

砂漠を越える

歩き続ける者がいる

ある日 砂漠に 降ろされて

突然 ポンと 降ろされて

はるか かなたに 在る線までも

変わることない 砂の海

立ち止まっても このままならば

体力限界 つきるまで

歩いて行こうと 心に決めて

前へ進むと 奮い立たせて

この決心と 行動を

必ず みている 空がある

空の おもいと 同調すると

キセキの みずは 降り注がれて

砂漠に 花が 咲くだろう

泥の なかで 立ち上がる

清い ハスの 花の ように