汗をかくのが 大好きだった 私の夏の 表現は たっぷり 汗を かくことで 毎年 それが 楽しみだった 暑い 暑いと ぼやきながらも なぜだか 意欲が わいてきて 流れる汗が ほこらしかった 今年の 夏は こなかった すべての 汗は 涙に変わり 身体の外に こぼれていった 8月10日の 朝早く あの子が 逝って しまったの 心の 準備も 出来ないくらい あっという間の 出来事だった 春から 吹いてた 強い風が あの子を さらって 行ったのか それとも 造った 青い庭が あの子を 上に持ち上げたのか 今年の 夏が 私の ハルを 私の手から 奪って行った 今年の 夏を 忘れない こなかった ここの 青い夏 私が 向こうに 帰るとき この手に 抱いて 連れて行くよ 涙にかわった夏と一緒に あの子に 会いに 走ってゆくよ