あなたは 今 どこに 居るの あなたは どこで 何をしてるの 私は 今も ここに 居るわ ここで あなたを 想って います あなたが 託して くれた 櫂を この子を この手で 育てています あなたの ために 取り替えた 床 あなたの ために 付けた クーラー あなたの ための 青い庭 あなたと 共に 過した ここで 今も ここで 生きて います それは まるで この子の ために あなたが 準備してくれて そんな 風に 感じる くらい 不思議な 時の 流れの なかで 私は この子を この手で 抱いて あなたと 一緒に 生きている あなたに ハルと 名付けた 庭は 新たな 芽吹きが 始まり ました あなたは 見ていて くれていますか ここを 見ていて くれていますか
オルゴール
ドクン ドクン と 聞こえてくる あの子の 鼓動が 鳴っている 死して さらに 生きている 私の 鼓動と 供に 鳴る 不死鳥の ように 蘇り あつく 太く 舞うように 私の 中で 生きている 戸惑いさえも 手離して 行く先なんて 知らなくていい 残りの時は 踊るだけ 鼓動に 合わせて 踊るだけ 最後の バトンを 受け取った この子と 一緒に 流れに乗って 静かに 確かに 息を 合わせて 生きるを 踊って みようと 思う この子の 名前は カイに しました 舟を 漕ぎ出す 櫂に しました ハルが 託した 最後の バトン 受け取ったのは この子 でした
天使
たとえ カタチで みえなくても ちゃんと ここに 在るもの それは 在るんだ こころが 感じるままに 何もしなくたって しみ入ってくるもの 愛って ことば あまりに 大きすぎて よくわからなかったけど ほんとは 知っていたんだ うまく 表現できなくたって ただ 感じる それだけで よかったんだ 手には 触れられない ものだとしても 生き生きと ここに 存在している 今 この時だって 遠い遠い 未来にだって まるで 歌う ために 生まれてきてくれた カレン・カーペンターの その 歌声の ように
lettre
久しぶりに 聴いてみる 好きで たまらない ミスチルの歌 あの子が いなくなってから 音を止めていたんだよ 来る日も来る日も 部屋に流れて あの子と 一緒に 聴いてた歌だ 耳に ふれると 泣けてくるから 音から 離れて いたんだよ だけど 止めるの 止めたんだ どっちにしたって 泣いてる 心 もう会えないって 知れば知るほど この手は あの子を 求め続ける 気付くと 五感で 探して いるわ さようならが まだ 言えなくて 毎日 あの子に 手紙を 送る 音に 手紙を 乗っけて みたら そおっと 運んで くれる気がした あの子に 届けて くれる気がした 初めの 言葉は 「ありがとう」 これを 乗せて 下さいな
知る
どれだけ 時を ついやせば こころは 納得 できるのだろう ありったけの ことばの意味を 塔婆のように 立てて みても 荒ぶる 想いに かき乱されて ここの この場に ひれ伏すだけだ 私は ほんとに 知らなかったの あの子が 逝って しまうことを 白く 昇る 煙を 見ても 箱に 収まる 命を 見ても 今も 私は 知らないままで 流れる 時に 押しつぶされる いきなり ここに 飛び込んできて あっという間に 上がっていった 私は それを 知らないの 知るとは なんて 残酷なこと
青い夏
汗をかくのが 大好きだった 私の夏の 表現は たっぷり 汗を かくことで 毎年 それが 楽しみだった 暑い 暑いと ぼやきながらも なぜだか 意欲が わいてきて 流れる汗が ほこらしかった 今年の 夏は こなかった すべての 汗は 涙に変わり 身体の外に こぼれていった 8月10日の 朝早く あの子が 逝って しまったの 心の 準備も 出来ないくらい あっという間の 出来事だった 春から 吹いてた 強い風が あの子を さらって 行ったのか それとも 造った 青い庭が あの子を 上に持ち上げたのか 今年の 夏が 私の ハルを 私の手から 奪って行った 今年の 夏を 忘れない こなかった ここの 青い夏 私が 向こうに 帰るとき この手に 抱いて 連れて行くよ 涙にかわった夏と一緒に あの子に 会いに 走ってゆくよ
約束
かなは 私を 守ってくれた たぶん だいも そうだろう 特に かなは 強力だった ちからを すべて 使ってくれて 限界 超えても 守って くれた なんて ことだと さけんで みても そのとき 気付けず 悔やんでみても ときは 決して 戻らないけど だけど 今とも 繋がっていて ちゃんと 世界は つくられていて もらった 力を 大切に 使う 方向 間違えず 進む 姿を みてて ほしいと やさしい 笑顔に 頭を 下げる 心の骨を 強くするよと あの子たちとの 約束を